夕立の後に射し染めた、黄昏の光。近所では、紫陽花の花が満開だ。
出発前に片付ける予定の最後のゲラチェックが実はまだ終わっていない(というかゲラが出てこない!)のだが、そろそろラダックに行くための荷造りも始めなければならない。押し入れの中からカビ臭いバックパックや寝袋を取り出し、パッキングリストを見ながら荷物を詰めていく。
‥‥ん? あれ? うまく入らない。
服の類は適度に小分けして、軽くてかさばるものから下に詰めていくとか、雨具やトイレットペーパーのように急に使う可能性があるものは取り出しやすい場所に入れておくとか。今までさんざんやってきて骨身に沁みていると思っていたパッキングのコツも、しばらく旅に出ないでいるうちに、すっかり忘れてしまっていた。
たぶん、僕自身もまだ旅モードに切り替わっていないのかもしれない。

