今、制作中の本のタイトルのことで、頭を悩ませている。
僕が考えたタイトル案は、今年の春の段階で提案して、編集者さんからも了解を取り付けていた。しかしその後、出版社の社内で「もう少し今風のキーワードを入れ込んではどうか」という意見が出てきて、変更が検討されているのだという。
そのキーワードを含めたタイトル案は、言葉としておかしくはないものの、僕が書いた本のタイトルに使うには、どうしても違和感を拭いきれなかった。タイトルと本の内容が完全に乖離しているし、読者ターゲットからもずれてしまっているのだ。このままでは、「本のタイトルと中身が違うじゃないか。だまされた」と読者に思われてしまいかねない。そして、その責めを受けるのは、結局のところ、僕になる。
自分自身が責任も愛着も持てないタイトルを、「ま、いいか」と安易に認めるわけにはいかない。正直かなり悩んだのだが、「これではOKを出せません」と伝えて、社内で再検討してもらうことにした。
妥協点が見出せなかった時の覚悟は決めている。これは書き手として、譲れないこと、譲ってはいけないことだと思うから。

