電子書籍を普及させようという試みは、日本でも海外でもずいぶん前から行われていたが、ことごとく頓挫してきた。ただ、最近はアマゾンなどが本腰を入れて電子書籍に取り組んでいるし、来年にはおそらくアップルのタブレットデバイス(iTablet?)が満を持してリリースされる。そうなると、情勢は一気に動く可能性がある。
もしアップルのiTunes Storeで、電子書籍のコンテンツがダウンロード購入できるようになったら、結構すごいことになるのでは? たとえば、定期購読している雑誌は発売日に自動ダウンロードされてきて、それをパソコンでも、タブレットでも、好きな時に好きな場所で読める‥‥という具合だ。iPodとiTunesを中心に構築してきたアップルのエコシステムは強力だ。音楽業界がすでにそうなりつつあるように、出版業界も電子書籍が台頭する時代が来るのかもしれない。
紙の本に比べると、モニタに表示される電子書籍は目が疲れやすいので、長い文章を時間をかけて読むには適していない。個人的には、アップルのタブレットによって電子書籍が配信されるようになったら、そのコンテンツは雑誌のようにビジュアルをメインにした媒体が主流になると予想している。それを寂しいと思う人も多いだろうが(僕自身もそうだ)、今の雑誌業界は本当に壊滅的な状態なので、iTunesによるダウンロード販売というのは、一つの活路になるかもしれない。
もっとも、「雑誌のページのPDFをそのまま束ねて配信しました」という程度では、すぐに飽きられて見向きもされなくなるだろう。内容の充実もそうだが、電子書籍ならではのギミックもある程度仕込まなければならないと思う。
僕自身、もし将来、ラダックの写真集を出すことになったら、紙の写真集は500部限定で作ることにして、あとはデータ化してiTunesで売ろうかしらん‥‥などと、ついつい考えてしまうのだった。

