東京都写真美術館で10月24日から、セバスチャン・サルガドの写真展「アフリカ 生きとし生けるものの未来へ」が開催されることを知った。
僕がサルガドの写真を初めて見たのは20代の頃、雑誌「Switch」の特集を読んだ時だったが、彼の作品の圧倒的な存在感と、その一枚を撮るために費やされた途方もない努力を知り、畏敬の念を通り越して、打ちのめされたといっていいほどの衝撃を受けたことを憶えている。もちろんその頃はまだ、写真が自分の仕事の一部になるとは想像もしていなかったが、今思い返してみると、自分が写真を撮る時の対象との向き合い方というのは、あの時読んだサルガドの記事に影響されている部分がものすごく大きい。その特集号は、今も僕の部屋の本棚にある。
写美のサイトにサルガドのインタビューが載っていた。現在取り組んでいる「GENESIS」プロジェクトのために世界各地を飛び回っている彼は、こんなことを語っていた。
「よくどうやって撮影する土地を選ぶのか聞かれますが、人にはそれぞれ "自分が行くべき場所" というものがあると思っています。どこへ向かうのか決めれば、自ずと次に行くべき土地が見つかり、またその次へと繋がっていくのです」
まるで、今の自分の状況を見抜かれてしまったような気がして、かなわないな、と思ってしまった。自分が行くべき場所。きっともう、それは自分でもわかっているのだ。

