最近、広告系の本の仕事で、いくつかの広告会社に共通する、とある部署の人々のインタビュー原稿を書いている。
その系統の部署に所属する人というのは、世間的には、緻密な計算と冷静なロジックを積み上げて結果を出すことを仕事にしている人と思われている。取材を始める前は、僕自身もそんな先入観を持っていた。
でも、実際に会って話を聞いてみると、みんな異口同音に「一番大切なのは、熱意だ」と言う。いくら論理的で筋道の立った企画でも、作り手の熱い思いが込められていなければ、相手の心を動かすことなどできないのだ、と。
考えてみれば、計算とロジックだけで確実に売れる商品が作れるのだとしたら、みんな揃って同じものを作るだろう。でも実際は、計算とロジックだけで作られたものは、売れないし、長続きしないし、人々の心に残らない。何より、作り手自身が楽しくも何ともない。
やっぱり、何かを作り出す時、その中核には、理屈では説明できないような熱意が籠っていることが必要なのだ。計算やロジックは、あくまでもその熱意を補強するためのものなのだと思う。

