渋谷C.C.Lemonホールで開催された、奥華子のコンサートに行った。
彼女のホールコンサートに来たのは、約二年半ぶりだ。もうすぐニューアルバム「BIRTHDAY」が発売されるということで、コンサートで歌われた曲の大半はそのアルバムに収録されているものだった。観客に馴染みのない曲ばかりを歌うのはかなりのプレッシャーだったに違いないが、ぽきっと折れてしまいそうなくらいに緊張していた以前のコンサートと比べて、今日の彼女の歌声はとても伸びやかで、自分のやっていることへの確かな自信に溢れていたように思う。曲の合間に何度もペコペコとお辞儀をする謙虚すぎるくらいの謙虚さと、どこがオチなのかわからない不思議なMCはあいかわらずだったが(笑)。
これは彼女自身が言っていたことだが、何かを創り出そうとする時、ポジティブで幸せな気持からだけではなく、時にはネガティブで苦しい気持からも得られるものがある。思い出したくもない苦い記憶とか、自分自身の弱さとか、そういうものを認めることで創り出せるものもあるし、その上で初めて前向きになれることもある。今日のコンサートは、彼女の光と影のコントラストがくっきりと浮き出ていたと思う。
アンコールの直前に客席に現れた彼女は、ちぎれそうなくらいに両手を振りながら、目の前の通路を走り抜けた。ぱちっ、とハイタッチを交わした彼女の手は、びっくりするほど小さかった。

