June 2009 Archives

あとがき

リトスタ本の草稿の執筆もそろそろ大詰め。本編は一応書き終わったが、細かい部分がいくつか残っているので、それらを一つずつ書いていく。

今日はあとがきの草稿も書いたのだが、これが意外に苦労した。たいした長さでもないのに、なかなか形が決まらない。思い描いていたイメージがうまくはまらず、何度も書き直してバランスを探る。まあ、今回の本の中で唯一、僕自身の言葉だけで書いている部分だから、そのギャップもあったのかもしれない。思わぬところで手間取ってしまった。

それにしても、まだ何一つ片付いていない今の段階であとがきを書くというのも、何だか妙な気分だ。まあ、進行上、仕方ないのだけれど。

そうめん

終日、部屋で原稿を書く。

今日もじめじめ蒸し暑い。晩飯は何かさっぱりしたものが食べたくなったので、そうめんをゆでることにした。自分で作ったのは初めてだったのだが、パスタやうどんよりも少ないお湯であっという間にゆでることができるので、思いのほか手軽。冷水で締めたそうめんを氷の上に盛り、ねぎだくのつゆに浸して、つるるっとすする。うまい。そうめんブーム到来の予感。

ちなみに、そうめんとひやむぎの違いは、昔は製法の違いがあったらしいが、今はJAS規格で設定された太さで区別されているらしい。そうめんは0.7〜1.2mm、ひやむぎは1.3〜1.7mmなんだとか。

運動不足

吉祥寺でラダックの写真を展示することになったため、朝からパネルを脇に抱え、えっちらおっちら、吉祥寺まで歩いていく。だるい。眠い。もうダメな感じ。おひるをリトスタで食べた後、家に帰って、ばったり倒れて夕方まで寝る。

ここ最近、ずっと部屋に籠って仕事をしているから、明らかに運動不足だなあと感じる。身体全体の血の巡りが悪いというか‥‥。ラダックで暮らしていた頃にはありえなかったことだ。

ラダックでは、畑仕事やトレッキングの時はもちろんのこと、レーの街で何も用事がない日でも、カメラバッグを肩に担いで、ぶらぶら、ぶらぶら、一日中歩き回っていた。あの場所では、そうやって普通に歩き回るだけでもかなりの運動になる。なぜなら、酸素濃度が平地の六割しかないから。まさに、生きてるだけで高地トレーニング。

同じく標高の高いエチオピア出身のゲブレセラシェが、あれだけ反則的に速いのも無理はない。

自炊の今

去年の暮れから自炊をするようになって、半年ちょっとが過ぎた。

今住んでいる部屋が駅から微妙に遠いとか、自宅で仕事をする時間が増えたとか、いくつか理由はあるのだが、自炊するようになった一番の動機は、人間として生きていくために必要な最低限の能力は身につけておきたいと思ったから。特に、ラダックで暮らしていた時、どんなに人里離れた険しい山の中でも、小さなナイフで器用に食材を刻み、チャチャッと火を熾してうまい料理を作ってくれるラダックの人々と旅した経験の影響は大きかったような気がする。

そして今は‥‥自炊をすることが「普通」になった。

別に、毎食々々、几帳面に自炊を続けているわけではない。早い時間に家を出なければならない時は駅前のファストフードで済ませることもあるし、ラーメンやうどんが食べたくなったら、ぶらぶら駅前まで出かけていく。それでも、自炊をする頻度は依然としてかなり高いし、それが面倒だとも思わない。自炊は完全に日常の一部になった。

まあ、個人的には、揚げ物の経験がほとんどないとか、魚をうまく捌けないとか、まだまだ課題はあるのだが‥‥。

ちなみに今日の晩飯は、ラタトゥイユだった。

まほろば珈琲店での会話

来る日も来る日も部屋に籠りっぱなしでうんざりしてきたので、気晴らしも兼ねて散髪に行き、すっぱり短く刈り込んでもらう。コーヒー豆が切れかけていたのを思い出し、足を伸ばしてまほろば珈琲店へ。

この店に通いはじめた頃、僕は店主の横井さんに対して「ちょっと怖い人なんじゃないか‥‥?」という先入観を勝手に持っていた。注文のやりとり以外の会話をするようになったのはつい最近のこと。といっても、天気のこととか、その程度なのだが。

で、今日も「5番を豆で100グラム、お願いします〜」と普通に声をかけると‥‥。

「こう暑いと、そろそろあっちに戻りたくなるんじゃない?」

驚いた。「あっち」って、ラダックのこと‥‥?

「甲斐(三月珈琲工房の甲斐さん)のところに置いてある本を、あっちの店に行くたびにちょっとずつ読んでるんだよ。僕は積ん読派だから、そうでもしないとね‥‥」

たったそれだけのやりとりだったのだが、何だか、ものすごくうれしかった。相手が、難攻不落(と勝手に思い込んでいた)横井さんなだけに。

こういうことがあるから、また、がんばれるのだと思う。

わかろうとしない人

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ラダックの本を出してから、本業以外でいろんな依頼をされるようになった。雑誌やニュースサイトでの紹介依頼、トークイベントやラジオ番組への出演依頼、写真の展示依頼‥‥。熱意のこもったありがたい申し出も多いが、中には、「‥‥えっ?」と眉をひそめたくなるような申し出をされることもある。

「‥‥えっ?」というような申し出をされる場合、まず、相手はラダックの本をまったく読んでおらず、これから読むそぶりもない。それどころか、ラダックがどういう場所なのかさえ知らず、「いや〜、いいですよね、チベット!」とか平気で薄っぺらいことを言うので、こっちはまずそこから説明しなければならなくなる。相手は言葉遣いや態度や提示する条件で礼儀を守っているつもりなのだろうが、こっちからしてみれば、根本的な部分で恐ろしくぞんざいな扱いをされている気分になる。

別に、僕という人間を見下したいのなら、勝手にそうすればいい。ライターという仕事柄、見下されることには慣れている。でも、僕があの本に懸けたもの(文字通り自分の命まで含めて)、あの本で描いた大切な人々のことまでバカにされているのかと思うと、正直、本当にやりきれない。

まあ、僕もいい年こいた大人なので、そんな扱いをされたところで、その場で怒りを爆発させたりはしない。本が一冊でも多く売れればと、粛々とした対応をするだけ。でも、人のことをわかろうともせず、都合よく利用だけすればいいやと考えている人は、つくづく残念な人だなあと思う。

今年の秋に次の本を出したら、また、そういう残念な人たちが寄ってくるのかな‥‥。そうならないことを願いたい。

眠れない夜

昨日の夜はなかなか寝付けなくて、結局明け方近くまで眠れなかった。

眠れない時、「あの本のタイトルはこうしたらいいんじゃないか」「こういうテーマで取材をしたら面白いんじゃないか」と、仕事のことを考えはじめてしまうと、ますます頭が冴えて眠れなくなる。挙句の果てにいきなりがばっと跳ね起きて、Macでいつもアイデアをメモしているテキストファイルにカタカタ打ち込みはじめてしまった。デスクライトの明かりの下でキーボードを叩いている時は、「うーん、我ながら名案!」と一人悦に入っていたのだが‥‥。

今日になって読み返してみると、そんなに名案でもなかった(苦笑)。

オルガン

| Comments(2)

長丁場の取材に一区切りついたという安堵感で、昼過ぎまで爆睡。今日は夏のような天気で、日が暮れても蒸し暑い。居間と寝室の窓を網戸にして、風を通す。

今住んでいるマンションの界隈はものすごく静かで、窓を閉めていると、ほとんど無音と言っていいくらい何の物音もしない。でも、窓を全開にしていると、外からいろんな音が聞こえてくる。外の道を自転車が通り過ぎる音、隣の家で赤ん坊が泣いている声、どこからともなく響いてくる、オルガンの音色‥‥。

‥‥オルガン?

CDとかではなく、誰かが弾いていると思うのだが、ブォー、ブォーと、物悲しいを通り越して陰気くさいメロディが聞こえてくる。闇夜に響く、謎のオルガン‥‥。正直、かなり怖い。

ここは一発、気分を変えて、「ねこふんじゃった」でも弾いてくれないだろうか(笑)。

収録完了

そんなに暑いわけでもないのに、湿気が多くて蒸し蒸しする。

午後、リトスタで本のための取材。三月下旬から計七回行ってきたインタビューも、今日ですべて終了。ICレコーダーで録音したインタビューの長さは、合わせて約23時間。

長かった‥‥。長い間ライターをやっているが、一つのテーマでこれだけ長時間インタビューを行ったのは、他にちょっと記憶にない。まあ、終わったのはインタビューの収録だけで、本当の執筆の修羅場は、これからなんだけど。

帰りに、ミヤザキさんからお店で余っていたまかない用の冷凍ごはんをおすそわけしてもらう。これでしばらくは、米を炊かなくても手早く自炊ができそう。

夏至

終日、部屋で仕事。明日の取材のための準備をしたり、テープ起こしをしながら取材ノートを整理したりして過ごす。

夜の七時頃、自炊した晩飯を食べている時、居間の窓から見える空はまだ仄明るかった。そういえば、今日は夏至か。‥‥2009年も、もう半分過ぎてしまったのか(汗)。年を重ねるにつれ、日が過ぎるのがどんどん早くなるように感じるというのは誰もが言うことだけど、今年の加速っぷりは、本当に暴力的なくらいだ。

2009年上半期の感想。ひたすら地味にテープ起こしをし続けて‥‥たまに大勢の人の前でオロオロしていたという感じか。

アリ

最近、部屋の中にアリが出没するようになった。

数はたいしたことないのだが、居間のソファに坐っていたりする時、ふと床に目を向けると、一匹だけアリがチョロチョロ走っていることがある。最初のうちは侵入経路がさっぱりわからなかったのだが、どうやら窓のサッシの隅のごくわずかな隙間から入り込んできているらしい。

よくわからないのは、その侵入目的だ。うちにある食糧は冷蔵庫やストッカーにきっちり収まっているのでたかられようがないし、たかられている気配もない。ゴミ箱も密閉される仕様だし、そこに集まっている気配もない。居間の床の上を、時々走り回っているだけ。うーん、いったい、何のために?

生命の神秘と言えば聞こえはいいが、正直、ちょっと迷惑。

糖分補給

今日はどうにも仕事に集中できなくて、昼間のうちはリトスタ本の特設ブログの原稿を書いたりする。原稿執筆の合間の気晴らしが別の原稿執筆というのは、我ながらどうなんだと思わないでもない(笑)。

夕方、まほろば珈琲店まで歩いていってコーヒー豆を補充。ついでに思い立って、レヴェでシュークリームとポム・ド・テールを買った。そうだ、今の僕に必要なのは、ここのところ酷使しまくっている脳に効率よくエネルギーを供給するための糖分なのだ!‥‥と、もっともらしい理屈で自分を納得させてみる。

まあ、単にレヴェのケーキが食べたかったから買っただけなのだが。

浅知恵

終日、部屋で原稿を書く。今日もまずまずはかどったが、ここまで来ると、スイッチが入る入らない以前に、ずっと電源つけっぱなしという感じ(苦笑)。正直、ちょっと疲れる‥‥。

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iPhone OS 3.0がダウンロードできるようになったので、自分のiPhoneにインストールしてあれこれいじってみる。派手な新機能はないが、細かいところがブラッシュアップされていて、なかなかいい感じ。本体を買い替えなくてもどんどん進化していくデバイスというのは、使っていても気分がいい。

‥‥それにしても、ソフトバンクのiPhoneの売り方は、もうちょっとどうにかならないものだろうか? もうすぐ新型のiPhone 3GSが発売されるのだが、一括払いか分割払いか、キャンペーン加入か非加入か、機種変更か買い増しか、とにかく価格体系がややこしすぎる。小賢しい仕組みでユーザーを縛り付けて小銭を稼ごうとして、かえってユーザーの反感を買っていることに気付いていないのだろうか? 浅知恵にもほどがある‥‥。

重圧

終日、部屋で原稿を書く。ほかにしたことといえば、たまっていた洗濯物を洗って干したり、根菜でポトフを作ったくらい。仕事ははかどったといえばはかどったが、先のスケジュールを考えると、うかうかしていられない。こんなに超高速で書きまくっているというのは、いまだかつてないくらいなのだが。

まだ草稿は最後まで書き上げていないが、頭の中では、これまで書いてきた草稿をどういう方向でリライトしていくかということも考えていかなければならない。ラダックの本の時はほぼ百パーセント自分の中での戦いだったけれど、リトスタの本は相手の意向もできるだけ尊重しなければならないので、完成度にこだわりすぎると難しい面もある。しかも時間はごく限られている‥‥。

ううむ、重圧、ひしひしと。

自転車で都心へ

昨日は、昼から新宿でリトスタ本のデザイン打ち合わせ。たまたま打ち合わせが月曜になったので、定休日のリトスタの二人に「来る?」と聞いたところ、ただ参加するどころか「三鷹から新宿まで自転車で行こう!」と言いはじめた。で、僕もブロンプトンを出動させて同行することに。

神田川沿いをしばらく走った後、甲州街道に出て新宿を目指す。一時間ちょっとで着いたから、だいたい15キロくらいだろうか。待ち合わせていた編集者さんがびっくりしていた(笑)。ここのところ、ずっと部屋に閉じこもっていたから、ひさびさに身体をしっかり動かしたおかげで、何だかすっきりしたような気がする。たまには運動しないとダメだな‥‥。

で、その日の夜は東小金井の六甲山というお好み焼屋さんで飲み会。目の前で店員さんが焼いてくれるお好み焼は、生地に山芋をたっぷり使ってるらしく、ふっくらしていてなかなかうまい。値段もリーズナブル。決起集会としては悪くない(笑)。

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今日の夕方、編集者さんから、草稿のリライトについての具体的な指示が来た。自分の中でもやもやしていた部分が明確になって、どうにか方向性が見えてきた感じ。が、七月末くらいまでは修羅場になることが確定‥‥。やるしかないか。

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オリンパスが、往年のハーフサイズカメラの名機ペンをマイクロフォーサーズのデジタルカメラ「E-P1」として復活させた。ルックスはなかなか魅力的。明るい広角単焦点レンズがラインナップに加わればもっといいのだが。

タオルケット

昨日の夜から、寝具を掛け布団からタオルケットに替えた。

元来、僕はできるだけ薄手の寝具で眠りたい性分なので、いよいよ待望のシーズン到来だ。しかし、いざタオルケットに替えてみると、寝室の雰囲気が一気に地味というか、イケてない感じになった。そういえば、このタオルケット、かれこれ10年近く使っている。ちゃんとまめに洗いながら使い続けてきたとはいえ、かなりくたびれて、みすぼらしくなっているのは致し方ない。

まあでも、こういう肌に直接触れるものというのは、くたびれているほど気分が落ち着くというし‥‥。限界まで使い続けるか。

笑顔の撮り方

ラダックの本を読んでくれた方から、こんなことをよく訊かれるようになった。

「どの人も、すごくいい表情で笑ってますね! どうやって撮ったんですか?」

僕自身は、特別なことは何もしていない。使っているカメラやレンズも、撮影時のセッティングも、ごく普通のものだ。被写体になってくれたラダックの人々が、自分からいい表情をしてくれたから、たまたま撮らせてもらえただけだと思う。

あえて言うなら‥‥どんな場面でも、できるだけ相手とラダック語でコミュニケーションを取ってから撮影させてもらった、ということだろうか。

写真を撮る時は、いきなり相手にレンズを向けるのではなく、まず挨拶をして、自己紹介をして、ちょっと話をして‥‥それから「写真を撮ってもいいですか?」と訊く。「いいよ」と言ってもらったら撮らせてもらい、断られたらおとなしく引き下がる。ラダックにいる間、僕はそのルールをできるだけ守るように心がけていた。

いい写真を撮ろうとしてひたすらシャッターチャンスにこだわると、こうしたルールは守れない。でも僕は、相手に嫌な思いをさせてまで写真を撮ろうとは思わなかった。撮らせてもらえなかったら、それは仕方ない。それよりも、相手と言葉を交わしたことで残る記憶の方が大事だ。写真だけが旅の記憶ではないのだから。

あとは、写真を撮る時は自分も笑顔になること。これは自分ではまったく意識していなかったのだが、思い返してみると、相手が子供だろうが老人だろうが、いつも笑って言葉を交わしながら、写真を撮らせてもらっていたような気がする。自分が笑顔になれば、きっと相手も笑顔になってくれる。変に画作りやタイミングにこだわった写真より、相手と笑顔を交わしながら撮った写真の方が、いい写真になるのではないだろうか。

立ち止まる

昼にサンドイッチを買いに近所のコンビニまで行った以外、今日もほとんど外に出ず、リトスタ本の原稿を書く。明日までに達成したかったノルマまで、どうにか辿り着くことができた。

テープ起こしをし、プロットをまとめ、原稿を書く。肉体的な作業として淡々とこなすだけなら、たぶんもっと早く、今の倍くらいのスピードで捌けるかもしれない。でも、本の原稿のような長丁場では、それだと往々にしてバランスが崩れてしまう。冗長になったり、端折りすぎたり、文体が乱れたり。結局、後で余計な手間がかかってしまう。

逸る気持を抑えつつ、一つのパートを書きはじめる前に、一呼吸置いて冷静になる。プロットを検討し、集中力を、溜めて、溜めて、溜めて‥‥ガッ、と書く。それをきちんと見直してから、次のパートの準備をする。そうしてあえて立ち止まりながら書き進めていった方が、バランスが崩れることも少ないような気がする。

そんな風にして、今日も明日も明後日も、自分自身との戦いは続く。

あの頃に聴いた歌

今日も朝から、業務連絡メールを書いたり、テープ起こしをしながら取材ノートをチェックしたりと、せわしない一日。夕方頃、気分転換に音楽でも聴こうと思って、CDを一枚プレーヤにセットし、どさっ、とソファに坐る。奥華子の「TIME NOTE」。

このアルバムはiPodに入れてラダックに持って行ったのだが、何度も何度も、本当によく聴いた。iTunesに残っている履歴を見ると、300回も再生している(笑)。雲が流れていく青空を見上げながら、停電で真っ暗になった部屋で星空を見上げながら、それこそ全部覚えてしまうほど、くりかえし聴いた。なぜだかよくわからないが、あの頃の僕の気持に、このアルバムはものすごくしっくりときたのだ。

帰国してからはさすがにそれほど聴いてはいなかったけれど、今日ひさしぶりに聴いて、あの頃の気持をすっかり思い出した。楽しかったことも、辛かったことも。

倦怠感

朝、起きようとしたら、身体が異様にだるい。手や足の先まで血流が巡らない感じで、力が入らない。これはいったいどうしたことか。

それでもどうにか起き出して、ポンポン届いた業務連絡メールに返信したり、急に依頼されたメルマガ用の原稿を書いたり、リトスタ本でこれから書くパートのプロットを調整したり。しかし身体はずっとだるい状態のまま。何とかしなければ‥‥と晩飯の後にバスタブに湯を張り、しばらく浸かって血流の回復を図る。ところがぎっちょん、今度はだるさも一緒に身体中を巡るような状態になってしまった(苦笑)。

まあでも、この期に及んで泣き言を言うわけにはいかない。原稿、書きます。書きますとも。

物語る人、伝える人

村上春樹さんの新作「1Q84」が、発売から10日で100万部を突破したという。何ともはや、うらやましい(笑)。自ら紡ぎ出した物語で、100万人の読者を感動させるというのは,本当に途方もないことだ。

物書きには、二種類のタイプがいると思う。一方は、自分自身の想像力でストーリーを組み立てる「物語る人」。もう一方は、自分が実際に見聞きしたり体験したりしたことを書く「伝える人」。作品がフィクションかノンフィクションかという区別とはちょっと違う、書き手としての特性のようなものが存在するのではないだろうか。

僕自身はもう、完全に「伝える人」。小説とかストーリーとか、てんで思い浮かばない。自分で体験したことしか書けないし、正直、それで人を感動させることができているとも思えない。自分が大切だと思うことを、できるだけきちんと伝える。それがすべてで、それ以上に色気を出したら、かえって文章がダメになってしまうような気もしている。

もしまた生まれ変わったら、今度は「物語る人」になってみたいかな。まあ、どんなにがんばっても100万部は無理だけど(笑)。

先の仕事

今にも雨が降りそうなのに、なぜか降らない空模様。

午後、渋谷で打ち合わせ。まだ具体化はしていないものの、編集という立場で本作りに関わることができそうな気配。今はリトスタ本でてんてこまいだけど、秋以降の仕事を考えたら、今のうちに種を蒔いておかなければ‥‥。もう一冊アイデアを温めている編集を担当したい本の企画も動き出すかもしれないし、執筆のみ担当する本の仕事もまもなく始動するし‥‥。

いつのまにか、昔の目の回るような忙しさが、すっかり戻ってきてしまった。こんなにあくせくしなくても、もうちょっと悠々自適に暮らせたらいいのに。自転車にも乗りたいし、ふらっと旅にも出たいし。

まあでも、僕のような人間に「一緒に仕事しませんか」を声をかけてくれる人が、こんなにも周囲にいてくれるというのは、本当にありがたいことだなあと思う。

働く背中

今日はリトスタのオーナー二人が、okayanの弟さんの結婚式のために山口に行くので、開店以来初、オーナー不在での昼夜通し営業になるという。そんなレアな状況を見逃す手はないということで(笑)、短い時間ながらおひるを食べてくることにした。

お店に着いてみると、店内はほぼ満席の大盛況。オーナー二人がいてもテンパりかねない状況だ。でも、留守を預かるスタッフのみなさんは、互いに声を掛け合いながら、丁寧に、でもものすごくテキパキと店内を動き回っていた。いつもと同じ味、いつもと同じサービス。普通のお客さんにとっては当たり前のことなのかもしれない。でも、本を書いているために内情を知り尽くしている身としては、ミヤザキさんもokayanもいないのにこの状況下でちゃんとお店を回すことがどれだけ難しいか、よくわかる。スタッフのみなさんは、二人の働く背中をしっかりと見ているのだなと思う。

どんな種類の仕事でも、誰かに力を貸してもらおうと思ったら、まず自分が一生懸命に働く姿勢を相手に見せることが必要だ。自分がふんぞり返ったまま、口先だけで周囲にあれこれ命じても、誰も心から協力しようとは思ってくれない。リトスタの二人は、スタッフの誰よりも長い時間、誰よりも安い時給で、身を粉にして働き続けている。そんな二人の働く背中をちゃんと見ているから、スタッフも全力で応えてくれるのだろう。

リトスタは本当の意味でいいお店になった。今、自分がその本を書いているのは、幸運なことだと思う。

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‥‥で、その本の原稿。今日はひさびさにスイッチが入って、一気に4000字ほど書いた。あまりに集中しすぎたせいか、頭がしびれて、気持悪くなった(苦笑)。

予選突破

仕事したり、現実逃避したりをくりかえしているうちに、ワールドカップ最終予選の中継が始まった。

今日の相手はウズベキスタン。勝てば日本のワールドカップ進出が決まる。最終予選は往々にしてどんよりした試合になることが多いが、今日もどんより、どよどよ、重苦しい試合になった。開始直後のいい時間帯に岡崎が得意のダイビングヘッドで先制したものの、その後はウズベキスタンにペースを握られる。主審の判定が(袖の下もらってんじゃないのかと思うくらい)偏っていたこともあるが、テクニックもスピードも上回っている日本がこれだけ押し込まれ続けたのは、ホームの大声援に後押しされた相手の気迫ゆえだったと思う。やっぱり、サッカーは心理的な要素にものすごく左右されるスポーツなのだ。

それでも、どうにかこうにか逃げ切って、ワールドカップへの切符をつかんだ日本。負け試合同然の内容だったけど、最終予選は結果がすべて。途轍もない重圧の中で、その結果を残したことには意味がある。お疲れさまでした。

速筆?

今日こそは集中して原稿を書こうと決意していたのに、連絡業務に振り回されて、昼間のうちは結局手につかず。晩飯を自炊した後、ようやく原稿に取りかかる。もうほとんどプロットができていたこともあって、2時間で2000字ほど書けた。そういえば、前のパートでは2時間半で3500字ほど書いたっけ。

こう書くと、やたら速筆なライターのように思われるかもしれないが、「こう始めて、こう来て、こう来て、こう締める」というイメージがはっきりしていれば、それを文字に置き換えていくのはそう難しい作業ではない。でも、そういうプロットがなかなかまとまらないことがある。情報量が多すぎたり、内容があちこちに飛んでたりすると、ものすごく時間がかかってしまうのだ。

‥‥ていうか、僕の場合、極論すると、面白い話はすぐ書ける。面白くない話は全然書けない(笑)。

まあ、どっちにしても、書き上げた後の推敲作業はものすごく大切。これにはいつも、可能なかぎり時間をかけたいと思っている。今、リトスタの本を書きながら焦っているのも、十分な推敲の時間が取れるかどうかという心配が一番大きい。

そんなわけで、速筆だろうが遅筆だろうが、一冊の本を仕上げるには、結局、やたら時間がかかってしまうのだった。

徒花

午後、両国と竹橋を回って雑誌記事の下版作業。デザイナーさんががんばってくれたおかげで、予定より一日早く校了することができた。まあ、この記事だけ綺麗に咲いたとしても、結局は実を結ばない徒花なのかもしれないが‥‥。

今後、あの雑誌と仕事をすることはないだろう。僕にはもう何もしてあげられない。

ともあれ、これからはリトスタ本に集中することにしよう。

スツール

昨日、軽い打ち合わせをしに寄ったリトスタで、新しいスツールを買った。

もともと、うちでは椅子の買い足しが懸案事項だった。二人がけのソファのほかには仕事机と一緒に使っているワークチェアしかないため、三人以上の来客があると、自分が座る椅子がなかったのだ(笑)。

今回買ったスツールは、リトスタのオーナー二人の友人の鍛冶職人、中澤恒夫さんの作品。先週日曜のイベントの時に搬入されてきたのを見た瞬間に一目惚れ。無垢のケヤキの天板と、繊細なようでがっしりと作られた鉄製の脚。「いいなー、欲しいなー、でも4、5万円くらいするんだろうなー」と思って値段を聞いてみたら、なんとたったの2万円。うそ?! 原価分しかないんじゃないの?

というわけで、イキオイで購入し、そのまま担いで持って帰ってきた(笑)。満足度はものすごく高い。普段は居間のコーナーで小物をディスプレイしておいて、来客時に出動させることにした。

いい買い物をして上がったテンションを、このまま仕事に注ぎ込むことにする。

次に出す本

午前中から新宿で編集者さんと打ち合わせをし、そのまますぐにデザイナーさんの事務所に行って打ち合わせ。どちらも次に出す本についてのものだ。

すでに大本営発表があったのでここでも書くが、僕が今書いているのは、リトスタについての本。あのお店ができるまでの話と、お店ができてからの話、そしてこれからの話。きついけど、儲からないけど、それでも幸せと言える生き方を選んだ人たちの物語。

今年の一月の末に編集者さんに企画をプレゼンしたら、その一週間後には社内企画会議で採用されて出版が決まってしまったという、普通ではありえないほどのスピード決着。ツキという言葉だけでは説明できない何かが、この本にはあるのではないかと思う。

前々からの彼らとの約束を、ようやく果たす時が来た。

発売は、順調に行けば九月中旬の予定。順調に行けば‥‥だが。まだ、半分しか原稿ができていないんだけど‥‥(汗)。

dezagen0906.jpg5月27日発売の「デザインの現場」2009年6月号の巻頭特集「文字のつくりかた」で、博報堂のアートディレクター平野光太郎さんについてのインタビュー記事を書きました。

About Me

  • Author : yama_taka
  • フリーランスの編集/ライター/フォトグラファー。旅と写真と自転車をこよなく愛する、生まれながらの根無し草。
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  • これまでに執筆を手がけた書籍や雑誌に寄稿した主な記事など。
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  • ラダックなどへの旅の中で撮影した写真のポートフォリオ。
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  • 我が愛車、ブロンプトンM3L RAW シマノインター8改を紹介。
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