「スラムドッグ$ミリオネア」

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slumdog_millionaire.jpg痛快無比の娯楽大作、と何のためらいもなく呼べる映画をひさしぶりに観たような気がする。

2009年のアカデミー賞でオスカーを総なめにしたこの「スラムドッグ$ミリオネア」は、決して順風満帆な船出だったわけではない。一時は北米での配給会社を失う危機に晒され、あやうくお蔵入りになるところを別の配給会社に救われたものの、最初はわずか10館の上映でのスタートだった。それが評判が評判を呼び、あれよあれよという間に頂点にまで駆け上がってしまった。

インド・ムンバイのスラム街で生まれ育った少年ジャマールは、ある時、テレビの人気番組「クイズ・ミリオネア」に出演する。「スラム育ちのお茶汲み」と司会者に蔑まれながらも、ジャマールは次々と難問をクリアしていき、ついに最後の一問にまで到達。無学な彼にクイズの答がわかるわけがない、インチキをしているのだ、と怪しまれたジャマールは、警察に連行されて拷問まで受ける。だが彼は、何の不正もしていなかった。すべての答えは、彼がこれまで生き抜いてきた、苛烈な人生の中で巡り会ってきたものだったから――。

この映画の原作となった「ぼくと1ルピーの神様」という小説は未読なのだが、映画では原作の設定を踏襲しつつ、映画向けに内容をかなりリファインしたらしい。監督を務めたのはダニー・ボイル。「トレインスポッティング」は個人的にあのスタイリッシュさが鼻について正直ちょっと馴染めなかったのだが、この「スラムドッグ$ミリオネア」では、彼が得意とする疾走感のある演出が混沌とエネルギーに満ちたインドで一気に解き放たれ、本場のボリウッドムービーをどこか彷彿とさせるような、見る者をグイグイと引き込む素晴らしい映像に仕上がっている。

話としては、確かに出来過ぎ(笑)。でも、インドの最下層のスラム街の苛酷な現実と、そんな中でもたくましく生き抜いている少年たち(子役は現地のスラム街でスカウトされたのだという)の瞳が、些細なことをすべて忘れさせる。さまざまな困難をはねのけ、突っ走っていく先に待ち構えている、お約束の、でも圧倒的なカタルシス。みんなが熱狂するのも無理はない。

‥‥やはり、最後のライフラインはあれだったか(笑)。

Comments(2)

うちも、丁度昨日見にいきまいした!!
良かったです。何がって映画がそのままインドだぁ〜と主張していたから。かっこ良く見せたり、賞賛したり、卑下したりすることなく、生のインドが見れたし感じられたから、、、

なんか、すっごくインドに行きたくなった。

>Kaoriさん
インドに行きたくなった気持、わかります(笑)。この映画、インド本土では賛否両論らしいですね。自分たちの国にある暗部をこれでもかと見せつけられることに抵抗があるとか。もっと夢見るような映画が好きなんでしょうね。

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