午後、三鷹で打ち合わせ。先日、わずか一週間で企画が採用された新しい本のキックオフ・ミーティングだ。おいしいコーヒーとブラウニーをいただきつつ、打ち合わせは順調に進む。関係者の方々が目をきらきらさせて思いのたけを口にするのを聞きながら、一人プレッシャーを感じる自分(苦笑)。また、ゼロから本を書くことになる。これから長い戦いが始まるのだ。
帰り際、編集者さんが僕にこう言った。
「山本さんは、もっと書籍のお仕事をされた方がいいですよ」と。
何だか、心の内を見透かされたようで、どきりとした。
そうなのだ。日本に帰ってきて以来、ぽつぽつと雑誌の仕事もやろうとしているのだが、どういうわけかあまり気が乗らない。雑誌の仕事の方がギャラの割もいいし、短期間のうちにお金が入ってくるので生活するにはラクだ。でも、ラダックの本で自分なりにとことん突き詰めた仕事をやり遂げた後だと、雑誌の仕事では、どこかで自分が妥協しているような気がしてきてしまう。伝えたいことの純度が落ちている気がするのだ。
書籍の仕事は、拘束時間は長いし、よほど売れないかぎりは印税も知れてるし、売れなかったら全部自分の責任になる。でも、とことん作り込めば、伝えたいことの純度はとてつもなく高まる。長い間、人々に愛され続ける本になるかもしれないのだ。
自分が伝えたいことをとことん突き詰めて、きちんと形にする。今度の新しい本でもう一度、それをじっくりやり直そう。

